ドイツ時計の伝統技法「3/4プレート」とは?

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皆さんこんにちは。アストです。

今回は、前回のドイツ時計の歴史に引き続き

ドイツ時計の伝統技法「3/4プレート」について、お話したいと思います。

 

前記事「真のランゲはどれ?ドイツ時計の歴史。

 

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3/4(4分の3)プレートとは、その名前の通りムーブメントの3/4を覆う一枚のプレートのことです。

 

時計の動作に最も大切なのは輪列(歯車)の安定性です。

よって、ドイツ時計では、輪列を一体成型の一枚板によって押さえてしまうことで、ムーブメント全体を堅牢にし、動作を安定させるという手法が取られます。

これが「3/4プレート」。

発想としてはごくごく単純ですね。丈夫な一枚の板で押さえてしまった方が歯車のガタつきが小さくなることは想像に難くないと思います。

また、機械の動作面だけでなく、ムーブメントに細かなゴミやホコリが混入することも防ぎます。

よって3/4プレートを搭載するドイツ時計では、スイス時計で用いられる受け板方式よりも格段に安定したムーブメントの動作を実現することが出来るのです。

 

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仕組み自体は非常に単純でわかりやすい3/4プレートですが、この機構を実現させるためには大変な技術が必要になります。

1枚の板を成型してムーブメントに合体させるだけなんて、一見すると簡単なことのように思えるかもしれません。

しかし、「1枚の板」と「1つの工程」によって全てを完結させなければならないということは、その間ほんの小さなミス一つで全てが台無しになってしまうということなのです。

文字を書こうとする時、途中で間違えてしまっても後からバランスを立て直すことは出来ます。間違えた1画だけを消して書き直すことも出来るでしょう。

しかし、一筆書きでは話が違います。少しでもバランスを違えれば、1文字丸ごと書き直さなくてはなりませんね。

3/4プレートとはそういった技術なのです。

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左が IWC「ポルトギーゼ ハンドワインド エイトデイズ」

右が パネライ 「ルミノール1950 3デイズ アッチャイオ」のケースバックです。

それぞれ数枚のプレートによって輪列が支えられていることがわかると思います。

プレートの成型と組み付けの工程は、プレートの数だけあります。

それはつまり、1枚のプレートが上手く組みつかなくても、他のプレートが上手く組みつくのならば、作り直せばいいのはそのプレート1枚だけで済むということです。

 

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ところが、何度も言うように、3/4プレートは一体成型の一枚板。

組み付けの際に少しでも形が合わなければ、一から全て作り直しです。

その上、プレートにコートドジュネーブペルラージュのような装飾を施すとなれば、失敗の確率はさらに上がります。

この3/4プレートを実現し、伝統として取り入れているドイツ時計の技術力の高さには眼福です。

 

 

いかがでしたでしょうか。ドイツ時計の伝統技法「3/4プレート」

確かに、ムーブメントの派手さや美しさに関しては、スイス時計に軍配かと思います。

しかし、ムーブメントの耐久性や作動の信頼性等、実用面に磨きをかけるドイツ時計の技術とスタンスは、私たちを惹きつけ、魅了します。

画像のグラスヒュッテオリジナル「パノリザーブ」のケースバックなんて、美しいことこの上ありません。

皆さんも、「3/4プレート」を実現する技術力の高さを理解した上で、ドイツ時計に触れてみて頂きたいと思います。

 

以上、アストでした。

 

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