時計のスペック表にある「石数」って何?

皆さんこんにちは

アストです。

 

今回は、時計のスペック表にある

「石数」の謎についてお話しします。

 

時計メーカーのカタログを見るとき、こんな感じのスペック表をみなさん見ているかと思います。

防水性能やケース素材、ストラップの種類 etc その時計に関する様々なことが書かれていますね。

ここでなんとなくよくわからないのが

「石数」

宝飾時計なら、「宝石の数かなぁ?」

なんて思うかもしれませんが、一見ダイヤモンドのような装飾は見えませんね。

 

ここで言う「石数」と言うのは

「ムーブメントに使われているルビーの数」

です。

 

こちらに A.ランゲ&ゾーネ のムーブメントがありますが、ところどころに赤いパーツが組み込まれているのがお分り頂けますでしょうか?

これが全部、ルビーなんです。

 

悠久たる時の流れを表す時計は、決して止まることが許されません。

時計は常に動き続け、時計を形作る小さな部品達は摩擦による負担に晒され続けます。

秒針を動かす4番車で1分間に1回転、1時間60分で60回転、一日24時間で1,440回転します。

これが一年間で525,600回転です。テンプならもっと多いです。

こんな負担を受け続けた部品達はあっという間に磨耗し、精度を狂わせ、やがて故障してしまいます。

機械式時計は、非常に小さな部品が集まって形作られているため、歯車の輪列にベアリングのような大掛かりな軸受けを仕込むスペースはありません。

 

機械式時計の歯車を支える軸受けには、硬く滑らかな素材が必要でした。

そこで注目されたのがルビー

宝石なので多少高価になってしまいますが、先ほど機械式時計は非常に小さい部品達で形作られていると言いました。

それは逆に、小さなサイズのルビーがあれば十分という意味でもありますので、非常に相性が良かったのです。

 

ルビーのモース硬度は9(参考:ダイヤモンド 10)

また、ルビーの靭性は8です。 (参考:ダイヤモンド7.5)

モース硬度とは、簡単に言えば引っかき傷の付きにくさ。

靭性は割れにくさ欠けにくさです。

どちらも数字が大きいほど強くなります。

ルビーとダイヤモンドをこすり合わせたらルビーが傷つきますが、ルビーとダイヤモンドをかち合わせるとダイヤが割れます。

つまり、ルビーは非常に傷つきにくく割れにくい素材であるということ。

傷つきにくいということは摩擦に強く滑らかということでもあり、常に摩擦に耐えなければならない歯車の部品としてはもってこいでした。

 

しかし、小さくて済むとは言えルビーは宝石。

むやみやたらと使ってしまうととんでもなく高額な時計になってしまいます。

そこで、コストカットのため回転数の少ない香箱車や2番車には、ルビーは使わず通常の金属軸受けが使われたりするわけです。

しかし、軸受けに使われるルビーは多ければ多いほど長持ちして高性能な時計が完成するのも事実。

そこで、時計のスペックを表すのに用いられることになった数字が「石数」なんです。

この時計にはどれほどの数のルビーが使われているのかというのが、ある一種のスペックになるわけです。

また、汎用ムーブメントを搭載している時計では、ちゃんとメーカーで独自に手を加えていることをアピールする手段にもなりますね。

これがスペック表にある「石数」の謎です。

 

 

とは言え、ルビーが多ければ多いほど高性能というわけではありません。

部品の精度が悪ければ当然性能は下がりますし、クロノグラフのような機能があれば、部品点数が増えて必然的に使用されるルビーの数も増えます。

また、ムーブメントの装飾のために部品とは関係ないところにわざとルビーを埋める場合もあります。

 

現在時計で使われている物のほとんどは天然のルビーではなく、人の手によって組成を再現された人口ルビーで、天然よりも比較的安価に手に入ります。

先ほど述べたことも含め、「石数」はあくまで参考くらいに捉えるのがいいでしょう。

 

以上、アストでした。

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