マスター?クロノメーター?よくわからない。オメガの「コーアクシャル」の種類について教えます。

皆さんこんにちは、アストです。
今回は、マスター?クロノメーター?なんだかよくわからない。オメガの「コーアクシャル」の種類についてお話ししたいと思います。
私の記事の中では何度も取り上げているコーアクシャルですが、オメガのカタログを見ているとなんだか色々と種類がありそうなことがわかると思います。
コーアクシャル?
マスターコーアクシャル?
マスタークロノメーター?
ちなみに、前回紹介した画像の「シーマスター300」は「マスターコーアクシャル」です。
マスターがついているので、何やら凄そうということはわかるかと思いますが、一体何が凄いのでしょうか。
それぞれ解説していきたいと思います。
コーアクシャルとは、これまで何度か記事にしてきた通りオメガ自慢の新世代脱進機のことで、摩擦を減らし、時計の修理スパンと寿命を飛躍的に増やすと言われています。
よって、単に「コーアクシャル」もしくは「コーアクシャル クロノメーター」とモデル名にある場合は、その名の通りコーアクシャル脱進機を搭載していることを示す記号になります。
「マスター」がつくとどう変わるのでしょうか?
「マスターコーアクシャル」とモデル名にある場合、それは「15000ガウス」の高耐磁性能を有していることを示します。
コーアクシャルからさらにもう一段階進化したムーブメントで、シリコンやニヴァガウスのような非磁性の素材をヒゲゼンマイのような主要パーツに使用することで「15000ガウス」という超高耐磁性能を獲得したのが、「マスターコーアクシャル」になります。
前回の記事を読んで下さった方々には繰り返しになってしまいますが、カバンの留め具のような部分に広く使われる一般的な磁石で2500ガウス。最強の永久磁石であるネオジム磁石で5000ガウス。磁気の塊であるMRIでやっと15000ガウスという磁気を発します。
時計に搭載するには明らかにオーバースペックですが、スマホやノートPCが広く普及し、磁気の影響から逃れることが難しくなった現代において、この高耐磁性能は非常に嬉しいですね。
「マスタークロノメーター」になるとどうなるのでしょう?
「マスタークロノメーター」とは、あの「クロノメーター規格」のさらに上を行く新たな品質認定基準のことです。
オメガが主導となり、スイス連邦計量認定局とともに新たに生み出した規格です。
その内容ですが、
15000ガウスの磁場に晒した上での、各姿勢や温度における精度検査。
パワーリザーブ全巻きからほぼ解けきった状態まで様々なパワーリザーブ残量における精度検査。
ムーブメント単体の検査終了後、ケーシングして再度検査。
私が知る限りではこんなところです。
単純に各姿勢や温度における精度計測だけでなく、磁気に晒したり、ゼンマイを解けさせてみたり、ケーシングしてから再度検査してみたりと、計測項目は非常に多いです。
それでいて、精度基準は「クロノメーター規格」よりもさらに厳しいというのだから驚きです。
この規格をパスしている時計がオメガしかないので、「マスタークロノメーター規格」はオメガ独自の社内規格と思われがちですが、そうではありません。
現在の時計業界において、15000ガウスの耐磁性能を持つ時計が作れるのはオメガだけなので、この規格をパスできる時計は必然とオメガだけになるわけですね。
よって、「マスタークロノメーター」表記のあるモデルは、「マスタークロノメーター規格」をパスした証であり、オメガが持てる最高のムーブメントということになります。
いかがでしたでしょうか。
簡単にですが、オメガのムーブメントの種類についてご紹介させていただきました。
みなさんの時計選びの助けになれば幸いです。
以上、アストでした。