サファイア?ガラス?傷がつかない魔法の風防「サファイアガラス」って?

皆さんこんにちは。アストです。
今回は、サファイア?ガラス?傷がつかない魔法の風防「サファイアガラス」
のお話です。
最近では高価なモデルだけでなく比較的安価なモデルにも、当たり前のように搭載されるようになってきている「サファイアガラス」
一体何がすごいんでしょうか。
傷つきにくい?
割れにくい?
そもそもガラスなの?
今日はそんな疑問にお答えしていこうと思います。
皆さんは、そもそも「サファイアガラス」が一体なんなのか知っていますでしょうか。
「サファイアガラスなんだから、ガラスの一種なんじゃないの?」とお思いですか?
実はこれ、透明なサファイアそのものなんです。
つまり、「サファイアガラス」という呼称は誤りで、正確にはガラスではありません。
風防なので、分りやすさを重視してガラスという表現が使われていますが、その正体は
「無色サファイア」なのです。
サファイアは、コランダムという鉱物の一種です。
コランダムというのは、酸化アルミニウム(Al2O3) の結晶からなる鉱物で、鋼玉(こうぎょく)とも呼ばれます。
純粋なコランダム結晶は無色透明なのですが、結晶の中の不純物イオンが色を発し、研磨することによって青、黄、緑と様々な色に輝きます。
サファイアとは青色の結晶のことではなく、コランダム全体がサファイアと呼ばれ
赤色の結晶のみ特別にルビーと呼ばれます。
現代において、コランダムは様々な方法で組成を再現することが出来ます。
よって、ムーブメントの人口ルビーと同様、無色サファイアも人造することが出来、それが風防として利用されているわけです。
ガラスではなくサファイアなのはお分りいただけたかと思いますが、実際のところサファイアになるとどういう点で有用なのでしょう。
その秘密は「硬度」と「強度」にあります。
これはモース硬度表、サファイアのモース硬度は9です。
モース硬度というのは、傷のつきにくさの度合いを表す数字で、大きいほど傷がつきにくくなります。
サファイア(9) とダイヤモンド(10) を擦り合わせるとサファイア(9) が傷ついてしまいますが、サファイア(9) とアレキサンドライト(8.5) を擦り合わせてもサファイア(9) は傷つきません。
最大のモース硬度の値はダイヤモンドの10で、世界で最も傷つきにくい物質ということになります。
つまり、サファイアを傷つけることができるのはこの世でただダイヤモンドのみ。なのです。
また、硬度ではダイヤモンドに遅れをとるサファイアですが、靭性(割れにくさ)は世界最硬のダイヤモンドを上回ります。
サファイアとダイヤモンドをかち合わせると、ダイヤモンドを割ることができるのです。
この通り、サファイアは「硬度」と「強度」の面で非常に優秀な素材で、これがサファイアガラスの「傷つきにくさ」「割れにくさ」の秘密です。
普段の生活の中で「壁にぶつけた」「角にぶつけた」あると思いますが、サファイアガラスは滅多なことで傷ついたり割れたりすることはありません。
普段から傷の危険に晒されている時計にとって、この風防は視認性確保と破損防止の面から非常に有効で、多少コストがかかっても採用するメーカーが非常に多いのです。
いかがでしたでしょうか。
自分の時計が、傷の少ない綺麗なままだととても気分がいいですよね。
私も時計を選ぶとき、サファイアガラスはマストな条件です。
以上、アストでした。